「にちりん9号」を転覆させる風とは            藤富 郷

(2006/09/25)


 

今回の台風13号では、西日本で大きな被害が出ましたが、
特に宮崎県延岡市では、9月17日14時頃に発生した竜巻によって、線状に建物の損壊があり、
さらには停車寸前の特急「にちりん9号」まで転覆させてしまいました。

重量のある電車を転覆させるほどの猛烈な風とは、一体どれくらいのものなのでしょうか。
簡単ではありますが、計算してみました。
(ここから数式が並びますので、苦手な方は結論まで…)

485.jpg1.車両の緒元     
形式:485系(先頭車:クハ481)
全長(L):21.0 メートル
車体幅(W):2.949 メートル
高さ(H):3.945 メートル
重心高(hg):1.300 メートル
自重(m):43.0 トン
線路幅(D):1.067 メートル
台車:空気バネ台車

2.気象データ(延岡市:17日14時)
気圧(P):994.1 hPa
気温(T):25.7 ℃
気体定数(R):287 
よって、空気の密度(ρ)は次のように求められます。

          mitudo.jpg

3.転覆する条件
今回は、ほとんど停止状態であったとの証言により、進行方向の速度は0とします。
また、計算の簡略化のため、空気バネの作用は考慮しないものと仮定します。
そうしますと、車両にかかる力は、重力(Fy)と風の力(Fw)だけとなり、以下の図のようになります。

          force.jpg

転覆するかどうかの限界は、車両の重力と横方向の風の力の合力の方向が、線路幅に収まるか
どうかによって決まります。
重力は一定ですので、風の力が強まって合力の方向が、外側の線路のさらに外を向くと転覆する
というわけです。つまり、合力が外側の線路上に達した風速が、限界の風速(u)となります。

          fy.jpg

よって、上の図の比率から限界風速は、

          speed.jpg

と求まります。
ただ、実際には空気バネのたわみの効果があり、みかけ上は重心の高さが高くなることから、
通常は、

          hg.jpg

と25%増しにします。
以上より、車両のデータと気象データを代入する事により、
限界風速は

          limit_u.jpg

となります。
宮崎地方気象台の発表でも、今回の竜巻のランクは「F2」とされ、風速50-69メートルと推測されて
います。

竜巻は、時間が短く規模も小さいため、現在の観測網では捉えにくく、そのため予測は難しい現象です。
ただ、気象庁は、数年以内には観測網の充実を図るとの事ですので、竜巻などによる突風予測の可能性に期待したいものです。


投稿者 藤富郷


台風と銀河のなぞ・・・                   小越久美

(2006/09/11)


 

typhoon12.jpg台風シーズンです。
台風は中心に近くなるほど風が強く、コンパクトな台風ほど、急に暴風になるため注意が必要です。
これは、フィギュアスケートの選手がスピンをする際、腕を体に引き付けることで、回転のスピードが速くなるのと同じ原理です。
お風呂の栓を抜くと、水は回転しながら、栓の付近で水流が速くなりますよね。

rotation.jpgこれは、地球上だけでなく宇宙でも成り立ちます。

太陽系の惑星は、太陽に近いほど速い速度で公転しています。
先日惑星から外れた冥王星の公転速度は秒速約4.7km。
地球(秒速約29.8km)の約6分の1です。
冥王星は太陽の周りを1周するのに、約248年もの時間がかかります。

自然界において、回転する物体は中心に近いほど速く、遠いほどゆっくり回っています。


milky.jpgさて、その太陽系も、銀河の星やガスの集まっているところを中心に回っています。
ところが、銀河を回る太陽系は銀河の中心付近にある星とも、銀河の果てにある星とも、どうやら同じ速度で、銀河を回っているらしいのです。
このため、無だと思われていた宇宙空間が、「見えないけど質量を持った何か」によって満たされているという説が生まれ、科学者たちの熱い議論が何十年も繰り広げられています。

本当に何かがあるのか、私たちがまだ知らない不思議な力が働いているのか、はたまた、ただのトリックなのか・・・・

今回の、冥王星の惑星からの降格についても、観測技術の進歩などによって新しい惑星候補が発見され、当たり前だと思っていた定説が、大きく覆された例となりました。

でも、もっともっと大きなサプライズがこれからやってくるのでは・・・と、私はドキドキしています。
そんなサプライズを与えてくれるのは、あなたかも知れませんね?


投稿者 小越久美