2008年12月26日
2009経済大展望
丸紅経済研究所の美甘哲秀副所長が
2008年経済を振り返り、2009年を展望する解説。
2008年の世界経済は「100年に1度の危機」とも言われた。
①資源価格の問題。年初の原油価格は100ドル。
これが7月には147ドルをつけ半年で1.5倍となった。
その後、市況は急落し40ドル程度に。
②金融危機の発生でのリスクマネーが凍結。
金融機関の経営危機とともに、
金融機関や投資家のリスクマネーがスムーズに流れていかずfreezeした。
9月のリーマンショック以降リスク回避志向は一層高まり市場は悪化。
③金融危機を背景にして底が見えない実体経済に。
秋以降、経済指標が急速に悪化し景気後退が裏付けられた。
そうして迎える2009年。アメリカ、中国の動きが鍵と美甘氏は語る。
経済の行方を展望する。
2008年12月26日
派遣切りは終わらない?
東京青年会議所の相澤弥一郎理事長が解説。
世界に急速に経済不安が広がり、
まさに「経済パニック状態」に。
大手・中小ともに生き残りをかけた対策として
”派遣社員の契約打切りによる解雇事案”が増えている。
所謂『派遣切り』だ。
共産国家ではない我が国でさえも、
派遣労働者が被雇用者の3分の一以上にまで
膨らんだ今、程度救済策も必要と訴える。
改正労働者派遣法が成立後。
建設、港湾等の一部を除き全ての職種で認められるようになった。
そのなかでも「製造業への派遣解禁」は大きなポイント。
正社員ではない人が増えた。
「派遣は都合が悪くなるとすぐ切れる」というメリットが経営側にはある。
今回の景気後退でこのメリットを企業経営者を使った。
雇用促進のためには
産業構造の転換や新たな産業の創設が必要と強調する。
2008年12月24日
金融グローバル化と途上国
金融グローバル化に翻弄される途上国をテーマに
アジア経済研究所の國宗浩三氏が解説。
今回の金融危機が短期間で世界中に波及した原因に、
国境を越えた金融取引が活発に行われた
「金融のグローバル化」が
あると言われている。
金融グローバル化を先導する先進国では、
企業や金融機関といった民間の経済主体が、
積極的に国際金融取引に乗り出す一方で、
政府は外貨準備を減らしていた。
一方の途上国においては、
金融グローバル化は
政府の警戒心を高める効果があった。
万一の事態に備えて
外貨準備を積み増ししたのだと考えられる。
そこに見られる問題点は?
IMFや日本政府の対応などにも言及し
今後のあるべき方向性を語る。
2008年12月20日
派閥政治のズレ
自民党の派閥について千葉科学大学の小枝義人教授の解説。
鉄の団結を誇った田中派、竹下派。
派閥による政治は昔の話になってしまった。
自民党が永久与党の時代は総裁即総理大臣だった。
自民党が「派閥連合体」と呼ばれたゆえんは
総裁選に勝つため。
しかし細川内閣誕生で状況は一転。
今に至っては強力野党・民主党は参院で多数を握り、
政権交代が視野に。
派閥という恐竜が政治を支配する「時代が終わった」と。
国民意識とも大きくズレてきている。
その背景に「メディアと政治家のあり方」の変化があると。
さらに社会のあり方との関係にも言及。
家族の絆、終身雇用、学歴といったものが希薄になる時代。
戦後長く日本社会を覆っていた安定・中流意識が壊れていく中、
政治も羅針盤を失っている今、派閥に忠誠を誓う政治家はいない。と
冷静な目で見る。
2008年12月20日
地方金融機関の断末魔
地方銀行など地域金融機関が経営危機が迫っている。
その理由や現状を慶應義塾大学の櫻川昌哉教授が解説。
11月に発表された2008年9月期の中間決算を見てみると
銀行の8割以上が最終減益。赤字に陥った銀行も多数に。
特に地方銀行はじめ、信用金庫・信用組合といった
地域金融機関の厳しい経営状況が明らかになった。
その背景に不動産価格の下落による不良債権の増加を挙げる。
地方金融機関がシンジケートローンに参加し都心向け不動産貸し出しが増加。
また不動産投資信託(JREIT)を多量に購入していた。
これらが不動産価格の下落によりリスクを拡大させていった。
地方金融機関の短所である地域リスクの分散が難しい問題に加え
不動産リスクの増大が追い討ちをかけた。
これらの状況から櫻川氏は
「地域金融機関モデルの崩壊」を強調する。
中小企業向け融資はどうなるのか?
2008年12月18日
オバマとニッポンの政治
社団法人アジアフォーラム・ジャパン
吉原欽一専務理事が初登場。
2009年1月に就任するオバマ新大統領とその政権、
日本政治はにような関係になるかを解説。
紐解くために2つの「クリントンコン・プレックス」というキーワードを用意。
1998年6月訪中したにもかかわらず日本を素通りした「ジャパンパッシング」と
1993年細川護煕の首相誕生を予測したような発言から端を発した「改革コンプレックス」だ。
これらが日本の政財官などに根深くあると説明。
オバマ新大統領の登場でそのコンプレックス(民主党コンプレックス)が再来する恐れがあると。
その上でオバマ氏を「政局の人」と説明。
「永田町政治」のような権力争いのことではない。
オバマは、コミュニティ・オーガナイザーの出身。
細かい政策を提示することではなく、
多数派工作=人びとの意思をまとめることこそが
政治の役割だと考えているのではないかと。
ではそのオバマ新大統領と日本の政治は
どう付き合わなければならないかを説明する。
2008年12月15日
進む自由貿易協定 日本の進む道は
FTA 自由貿易協定について
丸紅経済研究所の美甘哲秀副所長の解説。
2008年に入り日本と特定国との間で
貿易・投資の自由化を目指す
「経済連携協定」実質上の自由貿易協定が
相次いでスタート。
7月からインドネシア、ブルネイ。
11月からはASEAN、フィリピンと協定が発効、
貿易・投資が一層円滑化することが期待される。
そこで日本を中心として世界のFTAを取り巻く
現状や問題点などを整理し解説する。
FTAは水際での障壁を
軽減するということだが、
同時に日本の構造改革にもつながることを
忘れてはならない。
農業改革が大きな課題に
なることは間違いない。
さらに日本の農業の競争力強化を
図るための対応が重要と強調する。
2008年12月15日
社会問題解決に新たな合意形成のしくみを
東京青年会議所の成島真紀理事が解説。
社会問題に関して様々なレベルで意見はあっても、
市民同士がお互いに意見を聞き、話し合う場や
「世論」として説得力ある意見集約ができる場面、
さらに国や自治体がその声を吸上げる
道筋が見えない、と問題定義する。
その一例として「青少年と携帯電話の論議」の迷走をあげる。
青年会議所でも※徹ロンと銘打った市民討議会を開催。
青少年と携帯との関わりについて
そこで参加した多くが危険性や問題視していることが判明。
また、携帯電話の問題は、身近な問題で
個々のライフスタイルの違いからも様々な意見が。
今回の携帯電話の問題からも見られるように、
市民同士がお互いに意見を聞き、話し合う場、
「世論」として説得力ある意見集約ができること、
国や自治体がその声をしっかりと受け止めて吸上げる道筋をつくって、
「総論賛成!各論反対!」と一歩引いてしまうような
市民が引いてしまうような現状を打開しないといけない。
そのためには社会問題の解決に「徹ロン」のような
新たな合意形成のしくみが不可欠と強調する。
※徹ロンについては2008年7月24日アップの動画「世論調査に騙されるな!?」を参照ください
2008年12月15日
アメリカ「ビッグ3」救済 光明射すか?
経営難に陥っているアメリカの自動車メーカー「ビッグ3」について
日本政策投資銀行の酒井吉廣氏が解説する
「ビッグ3」の経営陣がアメリカ議会で公的支援を求めた。
サブプライムに端を発した金融危機があっという間に
経営を苦境に陥れるような不景気に至ったということで、
兎に角、当座を凌ぎたいということから話が始まっている。
しかし議会側は厳しく「ビッグスリーに甘えを許してはいけない」
これが基本的な考え方。
アメリカ連邦破産法11条適用を想定し再建の方向性を…
①短期間の収益回復を前提とした厳しい再建計画
②企業年金のカット
③債務のカット(株式の上場廃止を含む)
④工場閉鎖などの大幅なリストラ
この4点で説明する。
その上で「重要なことは再建策が成功するようなものになるかどうか」と。
自動車産業でこのビッグ3は国際競争力が落ちている。
もう一つの米国の基幹産業であった鉄鋼の場合は、
世界的な産業再編、および資源への注目度アップの中で、
技術力がさほどアップしなくても再建をすることが出来た。
これを自動車で実現できるか。
エコ・フレンドリーなものとしてはトヨタ、ホンダがリード。
また、クライスラーはもともとがサーベラスに株を保有されて
技術などよりも財務的な回復に主眼を置いた簡略な経営再建となっている。
こんな状況の中でビッグスリーを再生させる道は?
そしてオバマがチェンジというならば、
このビッグスリー依存のアメリカ経済を変えられるかどうか注視する。
2008年12月11日
アジアの国内紛争と和平プロセス
「アジアの国内紛争と和平プロセス」について
アジア経済研究所の川中豪氏の解説。
アジアではテロの背景となるような国内紛争が多くある。
スリランカのタミル人の蜂起。
東南アジアでもフィリピンの南部イスラム教徒分離運動、
インドネシアでもこれまで東ティモール、アチェの紛争など。
中国でもチベット問題がメディアを騒がせた。
冷戦期、東南アジアでの国内紛争といえば
政府と共産主義勢力の対抗という図式だった。
実態としては農民反乱であった。
しかし、現在の紛争は、宗教的であったり
民族集団としての少数派の分離独立運動という側面が強いと分析。
さらに
①宗教や言語といった社会的な属性で線引きがされ、
少数の立場にいる人々が抵抗している
②現在の国の枠組みから離脱して、自分たちだけの国を作るという目的を持つ
…と特徴付ける。
そして和平プロセスについて
和平交渉がうまくまとまるのは例外的とし、
その背景を説明する。
そのような厳しい状況下での
和平合意の方法を探る。
2008年12月05日
難局のキーマン・渡辺喜美元大臣 徹底解剖
衆議院議員の渡辺喜美氏について
千葉科学大学の小枝義人教授が解説。
11月21日渡辺元行革担当大臣は、
塩崎元官房長官など自民党の中堅議員ら24人と共に、
「今は景気回復が最優先課題だ」として
麻生総理に第2次補正予算案を、
開会中の臨時国会での提出を求める文書を
河村官房長官に渡した。
さらに一刻も早く解散・総選挙を行い、
国民の信任を得た内閣で
経済危機に立ち向かうための
危機管理内閣を作るべきだと、
解散を引き延ばす麻生総理を痛烈に批判している。
小枝氏は渡辺喜美氏の父親でもある
故渡辺美智雄氏の番記者をしていたことから
非常に近いところで渡辺喜美氏を見てきた。
政治姿勢や人柄など文字通り徹底解剖。
今後の政局を展望し
難局での渡辺喜美氏の動きからは目が離せないと
小枝氏は強調する。
2008年12月05日
これで良いのか?麻生首相の経済政策
麻生首相が打ち出している経済対策について
慶應義塾大学の櫻川昌哉教授が解説。
世界的な金融危機の中、経済の立て直しが優先だと
解散総選挙を先送りした麻生総理。
給付金問題や第二次補正予算案の提出時期などで
与野党の対立は激しさを増している。
これまで麻生首相が打ち出した主要な経済対策を見てみると…
①総額2兆円規模の定額給付金
②郵政関連株売却を凍結
③金融機能強化法の推進(地方銀行の救済)
④中小企業への貸し出しの促進
景気が悪くなると財政政策の効果を短期と中長期をわけて
議論してみようということになりがち。
櫻川氏はグローバル化した最近の経済情勢は、
財政政策の効果を「短期と中長期をわけて議論するという考え方には意味がない」と指摘。
株式市場が将来を映し出してしまうからと理由を説明。
その観点から麻生首相の打ち出した定額給付金については
バラマキ型の財政支出は中長期的には効果が薄く、
むしろ財政再建を遅らせるリスクが高いとして、
望ましくない。
短期にしか効果がないと思われる景気対策がとられると、
株式市場はその政策を「売り」と評価し、
株価は下落し消費の低迷をもたらす。
そのため「短期的にすら効果がなくなってしまう」と説明する。
その他の経済政策についても厳しい意見を突きつける。
2008年12月03日
日中交流進化論
日本と中国の国民レベルでの意識調査を元に
今後の「日中関係」について東洋学園大学の朱建榮教授が解説する。
NPO法人などの意識調査では
中国人の日本に対するイメージが良くなっている。
その理由を
①胡錦濤主席など中国の指導者が示した対日重視の姿勢が国民の意識にも影響した。
②インターネット利用者増加により様々な情報収集により
中国人の日本に対する理解がある程度深まった。
③経済発展で徐々に自信が増え、
長年来の歪んだ「被害者意識」をある程度克服した。
と分析する。
一方、日本人の中国に対するイメージが悪くなった結果については
中国に対する理解不足などを指摘する。
中国の全般的変化、10年に比べて「だいぶ良くなった」と考える
一般中国人の心理を理解していないと朱氏は強調する。
日中両国政府は今年を「日中青少年友好交流年」と位置づけ、
今後の4年間、毎年4000人規模で若者同士が交流することを合意。
麻生首相の「中国と聞けば中国の友人を思い浮かべ、
日本と聞けば日本の友人のことを考える、
そんな日中青年間の心と心の触れあいこそが
日中関係を支える礎になる」とのスピーチを用いて
朱氏は交流の更なる進展を願う。