2008年11月29日
金融危機の震源地 アメリカドルが今、強いワケ
世界的な金融危機が拡大するなかで「株価」「金利」「為替」が不安定な動きをしている。
その中で強い「ドル」。そしてそのドルに対してさらに強くなっている「円」。
背景を丸紅経済研究所の美甘哲秀副所長が解説。
まず金融危機が深刻化した9月以降ドルが強くなっている理由を
①資源価格の下落
②新興国への期待剥落
③対外投資売り・ドルの引き揚げ
と分けて詳細に分析する。
次に新興国の状況について特にブラジルと韓国に触れる。
ブラジルでは通貨が下落。
その背景に鉄鉱石などの資源価格が下落。
更に世界の鉄鋼生産の3割以上を占める
中国の大幅な減産による鉄鉱石の輸出の減少が重なった。
そして昨年末から経常収支が赤字に転落。
海外投資家は金融危機のなかで
ブラジル・リスクを懸念し始め株式の売りを誘っている。
韓国では資源高により経常赤字に転落。
さらに現政権の政治的な脆弱性も加わり
不安心理を掻き立てていると。
更に強い「円」については
金融不安の高まりから投資家が
欧州や新興市場の資産を圧縮へ。
また、各国の政策金利が低下したため
日本の低金利の魅力は薄れ円を借りるインセンティブが低下。
そこで投資家は円を返済し始めた。
これが予期せぬ円高を招いたと説明する。
2008年11月29日
税制改正でリスクヘッジ
「税制改正でリスクヘッジ」をテーマに
東京青年会議所の相澤弥一郎理事長が解説。
先月の企業倒産件数は
過去最高となりそのほとんどが中小企業。
こういった現状の中、
政府による中小企業への景気対策を具体的に行う時期に来ていると訴える。
実際に迫っている経済的リスクに対して政治的にどう対応するのか。
税制改正こそがリスクヘッジになると。
この不景気では、経済を活かすも殺すも税制にかかってくる。
予算の話とリンクするが日本経済の中長期的発展を視野に入れ、
企業の技術革新などについて積極的に優遇されるような内容が望ましいと語る。
一方、短期的な視点では財政出動も必要とし
但し全体のビジョンの中での短期の財政出動であるということを説明しなければならないと。
そして消費税についても触れる。
課税の仕方を間違えると国民の消費マインドを削いでしまう。
そうならないために食材や生活必需品の税率は現状維持し
嗜好品などについては高くするなど、
日本経済にあった設定方法をすべきと提言する。
2008年11月26日
凶悪犯罪の潮流
アメリカ犯罪学会会員でもある
酒井吉廣氏の解説。
近年の凶悪犯罪を類型立てながら
元厚生事務次官らの殺傷事件を分析する。
発生した事件が何らかの目的を持った
「テロ」なのか「単なる凶悪組織犯罪」なのかを
見極める要素を
①部分的であれ国民の支持がある行為
②特定のターゲットが連続して狙われる
③やがて犯行声明が行われる
④組織の目的が完全に達成するまで続く
と説明する
酒井氏は今回の事件で警視庁・埼玉県警が合同調査を行っているものの
従来の事件時に比べて発表内容が少ない事に対して着目し
小泉容疑者の単独犯か、組織的な裏があるのかなど慎重に調査を進めている証拠だと分析する。
その上で
今回の事件について組織的な背景がある可能性を否定しきれないとも。
その訳は…
2008年11月22日
麻生首相 次の一手
『解散先送りに金融危機 麻生首相の次の手は?』
千葉科学大学の小枝義人教授の解説。
衆議院の解散総選挙を先送りした麻生首相。
しかし「長期政権のあとには、必ず揺り戻しと混乱がやってくる。
ポスト小泉路線は総選挙を経て、初めて定まる」という大原則を小枝氏は強調。
政府与党が第二次補正予算案を来年の通常国会に
先送りする方針を示したことに民主党が反発。
給油継続法案などの採決ができないことで、
麻生総理も会期延長に前向きな姿勢をみせている。
そこで年末にかけてまだ動きがありそうだと予想する。
なぜ自民党は福田氏から麻生氏に替わったのか?
選挙のため。
国会を1ヶ月延長して、第二次補正予算を通す。
給付金法案を通して解散。
総選挙は年明け1月25日という民主党・鳩山幹事長が主張する説。
これが「けっこう自民党内でもささやかれている」と洩らす。
民主社会で選挙は一種の生理現象。
ここまで閉塞感が漂い、先が見えない中、
総選挙での年末大掃除が必要なことは明らかと語気を強める。
2008年11月21日
日銀の株式買い取りという劇薬
10月末に政府が打ち出した金融市場安定化策。
その中に「日銀による銀行保有株式の買い取り」が盛り込まれた。
しかしこの発表後、日銀はまるで無視をするかのように買取については
何の反応もしていない。
2002年初めて日銀は銀行保有株式の買い取りを行った。
その時の仕掛け人だった慶應義塾大学の櫻川昌哉教授が
その背景、意味、効果などを解説する。
当時、日本の銀行は大量の株式を保有していた。
特に「持ち合い」で不良企業の株式を中心に保有していた。
そして銀行保有株の下落→銀行の資本不足→貸し出しの圧縮(資本規制)→
貸し渋り→ 景気の悪化→さらなる株価の下落→銀行経営の悪化
というマイナスの連鎖が起き株式暴落の危険性が生じた。
さらに追い討ちをかけたのがファンドによる日本市場アタック。
ファンドは銀行保有株を売り込むことによって下げ相場を演出した。
銀行が大量に持ち合い株を保有するする状況が続く限り
ファンドによる株価のアタックは続き株価下落と金融システム不安を繰り返す。
そこで日銀による株式買い取りが発案され実施に向かう。
しかし事は簡単には進まなかった。その訳は…
その仕掛け人だからこそ知っていた話を今回始めて語る。
そして今回、実施した場合をシミュレートしてその実効性を展望。
この政策は劇薬だけに使うタイミングなどを見極めなければならないと釘を刺す。
さらに大きな目的としてファンド対策として効果を最大限にするには何が必要かを語る。
2008年11月19日
金融危機の先に照準 中国経済政策の威力
東洋学園大学の朱建榮教授が解説。
アメリカ発国際金融危機に対して11月15日行われた金融サミット。
その中で、世界最大の外貨準備を持つ
中国の動きが特に注目された。
胡錦濤国家主席はIMFなど国際金融機関の改革に関し
「発展途上国の地位と発言権を高める必要がある」との見解を示し
マクロ経済政策が適切でなかったことや、
金融監督が欠落していたと金融危機の原因について言及。
その上で「各国はマクロ経済政策での協調を強化すべきだ」と訴えた。
世界的な会議で中国のトップが
世界経済の方向性等に初めて言及した事について
朱氏は「今後、世界経済の新しいルール作りに積極的に参加していくこと
途上国、新興国の利益を代弁して発言力の拡大を狙っていると考えられる」と。
またIMFへの資金援助などにも触れ
対外的な面での経済外交の変化やその背景を説明する。
さらに57兆円規模の内需拡大策を取り上げ
その内容や実効性、効果などを整理し
国内的にも変わる経済政策の姿を解説する。
2008年11月19日
バーナンキ元議長の政策から何を読み取るか
「リーマンショック」から2ヵ月が経過。
市場では「大恐慌以来の金融市場の混迷」といった見方も。
株式市場の回復はまだみえてこない。
1929年の大恐慌をバーナンキFRB前議長の目を通して見ることにより
今回の金融市場の混迷を分析する。
丸紅経済研究所の美甘哲秀副所長が解説。
バーナンキ氏は過去の大恐慌について
「マネーストック、つまり貨幣供給量の減少が、
物価の下落及び生産の減少をもたらした」と考え、
大恐慌の重要な要因は株価暴落ではなく
マネーの供給であるとの見解を示している。
美甘氏はバーナンキ元議長の政策を
①銀行間の資金の取引ではFRBは資金の出し手となって大量のドルを供給。
銀行間の取引による債務を政府が保証。
②FRBの国内金融機関に対する貸付基準を緩め、差出担保の範囲を拡大、
融資期間を長期にし投資銀行への融資も容認。
③FRBは14の中央銀行間で通貨のスワップ協定を結び、
万が一の時、ドルを供給。
…この3点にまとめた上で
1930年代のような長期かつ深い不況が再来することはあり得ないと説く。
そのわけとは?
2008年11月18日
中小企業サバイバル
景気後退の直撃を受ける中小企業。
置かれている厳しい状況や政府の経済対策について
東京青年会議所の相澤弥一郎理事長が解説する。
民間調査会社が発表した10月の企業倒産状況によると
倒産件数は2008年最多の1,429件(前年同月比13.4%増)。
5年5ヵ月ぶりの高水準となった。
このうち中小企業倒産はこちらも今年最多の
1,415件(同比13・0%増)となった。
数字で見ても厳しい状況が伺える。
しかし中小企業の不況感は今に始まったことではなく、
1990年代の中盤からすでに実感しているものが多い。
中小企業にとっては、日々の資金繰りというのは死活問題。
貸し渋りだの貸し剥がしなど日常茶飯事と相澤氏は実情を語る。
さらに黒字倒産にも触れ、不況下では日本特有の売掛金制度が
中小企業の経営を脅かしているとも。
政府が打ち出している定額給付金については
貯蓄型の日本では効果は少ないと手厳しい。
2008年11月12日
金融サミット 期待と不安
日本政策投資銀行の酒井吉廣氏が
11月15日からの「金融サミット」について
その期待と不安を解説する。
アメリカから始まった世界的な金融危機の対応策を話し合う
「第1回金融サミット」
G8に新興国を加えた20の国と地域の首脳が参加。
アメリカの次期大統領、オバマ氏の参加が注目されているが
「出る・出ないには大きな意味がある」と。
もしオバマが出なければ「来年改めてやる」、
または「修正する」という可能性もあると指摘する。
オバマにしてみれば、ここで急ぐより、
落ち着いて来年からを見越した方が得策。という酒井氏の見方。
肝心なのは
金融危機の原因となった構造的な問題への対応策が打ち出されるか?
3点の見直しが必要な点を説明した上で課題を浮き彫りにする。
更に欧州やBRICsなどの新興国がどう対応するのかも注視する。
大きな課題がある一方で参加国の思惑が絡み
成果を出しにくいサミットだと見ている酒井氏。
総花的に終わり、次への繋ぎだけに終わる可能性が高いとも。
2008年11月11日
フェアトレードのマーケッティング
アジア経済研究所の佐藤寛氏が
フェアトレードのマーケティング戦略について解説する。
前回、フェアトレードについて仕組みや役割、その現状などを説明した。
さらに今回は踏み込んでフェアトレード商品を売る仕組みを考える。
フェアトレードでは仕入れ価格が通常の貿易よりも高くなる。
その高い商品を消費者は果たして買うのか?
先進国の市場でフェアトレード商品を買ってもらう為に必要な事を整理する。
どのようなマーケティング戦略を取るべきなのか。
佐藤氏は「物語性」が有効だと分析する。
どのような「物語」を商品に埋め込むのか?
さらにこの「物語」を自分たちの商品のマーケティングに活用しようとする大企業の存在にも触れ
フェアトレードの発展性にも言及する。
2008年11月05日
アメリカ大統領選挙と経済政策
「アメリカ大統領選と経済政策」について
慶應義塾大学の櫻川昌哉教授が解説する。
現地時間11月4日に行われたアメリカ大統領選挙。
櫻川氏はオバマ氏とマケイン氏の経済政策の違いを中心に説明。
オバマ候補は今回の金融危機を受け
積極的な財政支出で雇用創出を図り
景気対策を行いたいとしている。
円高など不安定要素も多い中
果たしてその実効性は?
櫻川氏の見方は厳しい。
その一方で
アメリカの政治は日本と異なって
実力のある経済学者をブレーンに加える傾向があることに触れ
日本ほど状況にならないのでは?と見据える。
2008年11月04日
死守できるか9% 中国経済成長率に黄信号
経済成長を続ける中国。
しかし世界的な景気後退で高い経済成長率にも黄信号が。
丸紅経済研究所の美甘哲秀副所長が
現地の経済関係者から聞いた生の声も交え
中国経済の見通しを解説する。
金融市場の不安定性を背景に、
世界経済の行方が不透明になってきた。
中国の2008年7-9月期の成長率は
これまでの2ケタ成長から9%に鈍化。
中国といえども世界経済の混乱と
無縁というわけにはいかなくなってきた。
さらにこの先、成長率9%を死守することは難しいと。
美甘氏は9%達成のため
1.中国政府の適切な財政・金融政策の実施
2.世界経済の一層の落ち込みの回避
3.不動産・株式市場の長期低迷の回避
これら3点を挙げる。
世界経済にとっても「最後の砦」となっている中国。
その経済成長から目は離せない。
2008年11月04日
最大の危機 中小企業サバイバル
東京青年会議所 笹島潤也氏が「中小企業の景況感」について
厳しい現状を交え解説する。
国内企業のうち99%強が中小企業で
紛れもなく地域経済を支えている。
まさに日本経済のカギを握っている。
しかし、そんな中小企業に陰りが。
景気後退局面に入り大手企業も慎重な経営方針に転換している。
中小企業は売上の回収をする前に、仕入れの支払いを
大手にしなくてはならず、資金繰りが厳しくなる一因を作っている。
中小企業は資金調達能力が低い。
更に金融機関などによる特に「貸し渋り」や
「貸しはがし」はやめて欲しいと訴える。
中小企業経営者と、
サラリーマンの実感は連動していないため、
大げさに感じるかも知れないが、
非常に危機的状況と。
そして中小企業の生き残りカギは人材活用だと強調。
その活用術は?