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大勢の観光客が訪れる港町・サンフランシスコにある人気スポットの一つで、かつて刑務所だったアルカトラズ島で今月10日、遠泳大会が行われ、“脱獄犯”になりきった約1000人のスイマーが集まった。
15年目を迎えたこの遠泳大会は「シャークフェスト」と呼ばれ、毎年この時期に行われている。大会では、参加者は全員、船でいったん島まで行き、約2.5キロ先の岸を目指す。参加者の中には、日本人の姿も見られた。
島の周囲は潮の流れが早く、かつてはサメも多かったため、「脱獄不可能の刑務所」と言われていた。そのためか、会場には映画「ジョーズ」の音楽も…。
しかし、45年前、島から脱獄した3人組がいたのだ。3人はスプーンで壁に穴を開けて、コンクリートのクズとせっけんで作った自分のマスクをベッドに仕込んで逃げたといわれている。FBI(=連邦捜査局)は、いったんは水死と発表したが、遺体が見つからず、現在も3人は指名手配中となっている。
地元の人たちは、この3人を「不可能を可能にした男たち」とたたえて、脱獄した6月に、毎年この大会を開いている。
大会は潮の流れが止まる時間に行われるため、流される危険はないということだが、レスキューのカヌーが一緒に岸を目指す。参加者のほとんどがウエットスーツを着て泳ぐが、体温を奪われ、リタイアする人も少なくない。今年は、985人の参加者のうち4分の1がリタイアするという過酷なレースになった。最高齢の参加者となった78歳の男性はゴール後、「過去3回泳いだ時より今回は速かったよ。でも刑務所にはもう戻りたくはないね」と笑って話していた。
脱獄とはいえ、そのチャレンジャー精神をたたえ、さらにエンターテインメントにして盛り上がる…アメリカらしいイベントといえるだろう。