#214  銭湯

(2007/10/10)


 

10月10日はかつて「体育の日」でした。しかしハッピーマンデーで必ずしも10日とは限らず…。キリの良さは無くなりましたね。で、「銭湯の日」です。1010で千十(せん・とお)なんでしょう。

周りで聞いてみますと、銭湯とは縁遠い人も結構います。とりわけ若い女性は、銭湯にほとんど入ったことがないという人も。私はというと、銭湯、大好きです。自宅の近くの銭湯にたまに浸かりに行きますし、会社の帰りや飲食の帰りに、その街の銭湯に入って帰りもします。東京は銭湯の組合(東京都浴場組合)のHPが充実していて、銭湯マップも掲載されています。これを見れば、自分がこれから出かける街のどこに銭湯が有るか一目瞭然。それを頼りに出かけてお湯に入っていると、地元のご近所さん同士の会話も耳に入ってきます。なんだかその街の住民になった気分にも浸れるのです。体にまとわりついた一日の疲れを、サーッと落として電車に乗るのもいいものです。帰宅したらそのままぐっすり就寝できますしね。

私と銭湯のつきあいは、新潟にある母の実家近くの銭湯に始まります。いまネットで検索したところ今は存在しないようです。祖父母や叔父叔母に遊んでもらったあと、夕食前にお湯に向かいます。もちろん家にも内湯はあるのですが、たまにそういうイベントがあるわけです。あれは何ともワクワクしましたね。大きなお風呂はちょっと熱めで、豊富な湯気と独特のざわめきに包まれています。黄色い腰掛けと洗面器。壁いっぱいに描かれた風景。銭湯の基本です。基本といえば、大きなお風呂での作法を教わる場でもありました。ときに叱られながら、祖父や叔父、父から教わった気がします。

ちなみに。東京都内で銭湯を経営している方の出身地をたどっていくと、新潟県が多いといわれています。これは豆腐店も同様。「コツコツとした仕事」「実は肉体的負担が大きい」「朝が早い」などなど、実直で勤勉な県民性でないと務まらないから、と説明されています。なるほど。

しかし銭湯の数は減る一方。この文を書くに当たって「銭湯の日」と入力しようとしたところ、「銭湯の火」と変換されました。そう。街のあちこちで燃えていた銭湯の火も徐々に消えていっているのが実情です。お湯から上がって、タオルを首にかけてグイッと飲むあのコーヒー牛乳の味の良さも、今の子どもたちにはあまり実体験が無いのでしょうか。残念なことです。

投稿者 近野宏明