伊勢丹の新宿本店。「ファッションの伊勢丹」が先鞭を付けたメンズ館の最上階がリニューアルしました。その名も「イセタン メンズレジデンス」。事件事故以外では久々に取材に出かけてきました(9月5日放送)。
バイヤーさんと一緒にフロアを巡ったのですが、キーワードは「上質」「ゆとり」「こだわり」。可処分所得の大きい、富裕層の男性をターゲットにしているだけあって、陳列している商品は「高級」または「超高級」です。ライブラリー(書斎)をイメージしたゾーンでは、ドイツの高級カメラ「ライカ」や、イギリス王室御用達のオーディオ「リン」の品々が、博物館のようなガラスケースに収められています。文房具のコーナーも同様。ペンが空中を浮遊するかのように、明るい壁面ガラスケースにずらりと並んでいました。ひとつひとつが「上質」です。
オーディオは1セット700万円!というビックリ価格ですが、「その価値があるのか?」と思うのが人の常。そんなお客様のために「試聴室」もあるんですねー。その中で我が家にもあるCDを聴いてみたら、確かに今まで聞こえなかった音がクリアに耳にしみ込みます。まあそんなお値段のオーディオも、どういう器(=部屋)に置かれるか、という問題が残りますが…。きっとお買いあげになる方のお宅には、地下あたりに「こだわり部屋」があるのでしょう。
デイスパは最新鋭のマシンを導入した個室が並び、デパートの中とは思えぬ空間。30分、50分のコースから設定されているので、奥さまや恋人の買い物を待つ間、ここで至福のときを過ごす…という使い方も可能。ただあくまでも「疲れ切ったサラリーマン」の癒やしの場、という感じではありません。おとなの「ゆとり」を持ちつつこの扉をくぐる…という風情です。生活に「ゆとり」があって、スパやエステに興味もあったけれど、ちょっと遠慮しちゃうなあ、という「尻込み男性」にとっては、デパートの中という立地が敷居を低くしてくれそう。こだわりの素材とインテリアでもてなすカフェも同様です。
…と、「上質」が横溢したフロア。低迷するデパート業界でも気を吐く伊勢丹が「さらに勝つ」という決意のもとにオープンしただけあって、気合十分。きっと狙った顧客層はがっちりつかむことでしょう。それにしても、それだけの「ゆとり」ある層が、少なからずいるのだなあということに、改めて驚かされます。ハイエンドかディスカウントか。二極化する消費の一端をみた思いでスタジオに戻りました。
投稿者 近野宏明