月曜日、那覇からの一報を受けて午後の便にて現地に向かいました。観光シーズン真っ直中。カメラクルーの席は取れず、私とディレクターの2人で先に沖縄へ。予定よりも1時間余り遅れて着陸した那覇空港。その北側に位置する国際線ターミナルの前に、事故機が無惨に焼け落ちた姿をさらしていました。私たちの便はターミナルに横付けされず、空港の北端に「沖留め」され、乗客はバスで移動します。その際に事故機の目の前を通過しました。当然車内にはどよめきが上がります。誰もが釘付けとなるその機体。しかし中には目を背ける方もいました。冒頭の写真はバスから撮影したものです。
それから深夜まで、中継と取材が続きました。中華航空の社長は夜になって会見を開き、さらにツアー客が宿泊するホテルへお詫び行脚。すべての取材を終えて那覇支局から映像を伝送すると、とっくに日付は変わっていました。丑三つ時にようやく夕食。食堂のおばあが作ったチャンプルーの美味しさがしみ渡りました。
翌火曜日。午後いちの東京行きを押さえて、取材に臨みます。昼前になって機体のそばまで近づくことが許され、搭乗時刻をにらみながらのリポート取材。機体から50mほど離れたところまで炭化した部品が飛び、風に舞います。激しい損傷を見ていると、よく犠牲者が出なかったものだという思いが強まるばかりでした。
帰路の飛行機はまた事故機の前を通過して離陸をスタンバイします。仕事を通じて数十回、プライベートも合わせれば100回以上利用した馴染みのある空港だけに、その黒く焦げた機体には強い違和感を覚えました。そして何とも言えないざらついた感覚も。ふつうは滑走路への着陸をもって安心するわけですが、そのあとにも(あるいは離陸の前にも)大惨事は起こりうる。当たり前のことを改めて思い知らされました。(ちなみに、航空史上最大の犠牲者を出した事故は、滑走路上で2機が衝突したことによります)
木曜日になって、事故調査委員会が燃料漏れの箇所を特定しました。主翼の前のほうは「スラット」と呼ばれ、離着陸時に垂れ下がるように動く部分です。このうち右主翼のエンジンに近い「5番スラット」部分を調べたところ、金属製のボルトが突き出し、接している燃料タンクにボルトが穴をあけていたというのです。これが燃料漏れを引き起こしたとするならば、同型の機体にも相当の影響が出るのではないでしょうか。現にボーイング社は同様の燃料漏れを過去に確認していたといいます。整備上の問題なのか、構造上の問題か。あまりにも重大な事故を引き起こす可能性があるケースゆえ、事故調のさらなる調査が待たれます。
投稿者 近野宏明