#184  読了日記034 『歴代知事三〇〇人』

(2007/06/13)


 

 070615_新橋夜景2.jpg東国原宮崎県知事の登場でにわかに注目を浴びている知事職。国政ほどの注目を浴びることは少なく、市町村政ほど身近ではない。しかし意外に大きな権限と実力をもつ知事職には、これまでどんな人々が就いてきたのか。あわせて284人の歴代公選知事を網羅した労作です。

・八幡和郎『歴代知事三〇〇人 日本全国「現代の殿さま」列伝』(光文社新書)

 昨今はインターネットの普及で、選挙で選ばれた公人の情報はパソコン上ですぐ検索できるようになった(一方で高級官僚の経歴公開などは明らかに後退しているが)。しかしそれはあくまでも1人の人物に特化しているものがほとんど。地域ごとに、ときの経過と同様の縦軸で知事の足跡を見るのはなかなか難しいものがある。本書はそのニーズに簡潔に応えているといっていい。

 戦後、公選となった知事職に就いた人物は合わせて284人。北から順にその列伝を読んでいくと、意外やその数の少なさにも驚かされる。それは取りも直さず、再選、三選と任期を重ねる知事が多いことの証だ。現職の知事を除くと、当選回数1回に終わったのは47人にすぎない。現職が選挙に出たときの勝率は90.1%。本書ではこうしたデータも示されている。一度土台を固めると、意外や長期にわたってその座にあるのだなと思うが、総理の平均在職年数に比べるからそう見えるだけなのか。

 各都道府県の名物知事、有力知事には少々力点を置き、めぼしい業績の無い知事の記述はあっさりと。そのあたりのメリハリは丁度よい感じがする。また、選挙の構図や戦った候補名などは割合詳細に記してある。このあたり、資料としての価値もある。

*写真は何の関係も有りませんが、日本テレビから眺めた夜景。なかなかのものでしょう?

投稿者 近野宏明