日曜日に起きた地震。それからまる3日が経ちました。しかしけさも震度5弱の余震があり、被災地の皆さんには、一瞬も気が休まらない日々が続きます。
私が現地に入ったのは発生当日の夕方でした。金沢を出て能登半島を北へ向かうのですが、あちこちで道路に亀裂が入り、段差ができています。ひどいところでは、段差が2mにもおよび、幅100m近い土砂崩れも起きていました。二次災害に巻き込まれないよう、細心の注意を払って輪島市に入りました。
夜の避難所はぎゅうぎゅう詰め。化粧仕上げをしただけの冷たいコンクリートの床には深いヒビが。あちこちで近所つきあいの深い地域ですから、顔を知った者同士、話の輪ができています。しかし見渡すと、ぐったりと目を閉じるお年寄り、人の輪から離れてぽつんと床を見つめるお年寄りもいます。日が暮れて冷えているうえ、騒々しくて眠ることは困難です。仮設住宅の建設など、最低限の住環境が整うのが待たれます。
月曜日、全壊した住宅を再び訪ねると、懸命にがれきを片づける住民の姿が。母屋は30度ほど傾き、土蔵と納屋と車庫は完全につぶれてしまっています。寝泊まりできないのはもちろん、春からの農作業に必要な機械もダメになっています。74歳になるというご主人は気丈に、そしてつとめて朗らかに、私たちの取材に応じてくださいましたが、生活の再建を危惧するほかありません。
輪島の古い市街地。輪島塗の工房や、海女さん、漁業関係者の住まう地域など、昔ながらの職能ごとの街並みも少し残っています。細い木でつくった格子戸が特徴的な、じつに風情のある木造建築が並びます。このあたり、一見してわかる全壊家屋は多く有りません。しかし建物の中に一歩お邪魔すると、その被害の大きさに絶句します。作業場の床や天井が落ちていたり、梁が歪んで扉が飛んで閉まったり。器などに塗りつける漆を小売りする店では、漆が樽から漏れていました。仮に職人さんの仕事場が早く復旧しても、材料が入手出来なければ仕事は出来ません。伝統工芸への影響も懸念されます。
普段はところ狭しと道路を埋め尽くす、輪島の代名詞「朝市」も、月曜日は殆どの店が開かれませんでした。北陸でも有数の観光地。現地が落ち着いたら、また大勢の方が足を運ぶときが来るでしょう。落ち着いた被災地を旅先とすることも、ひとつの支援です。町を回って地元の方とふれあいながら、ご家庭の防災対策への教訓も学び取って頂きたいと思います。
義援金の振込先
<銀行> 能登半島地震災害義援金:北國銀行県庁支店:普通預金199926
<郵便局> 石川県災害対策本部:00730-4-7700
投稿者 近野宏明