北陸電力の志賀原子力発電所で、点検作業中に予期せぬ「臨界」が起きていたにもかかわらず、その事故を8年間にわたり隠していたことが発覚しました。「臨界」とは、核分裂が連続して起こること。制御不能な状態が15分間にわたりつづき、大事故寸前の状態に陥りました。しかし8年前の作業日報には、まったくその事実は記載されず、闇に葬られていたのです。
15日、北陸電力の永原社長が原子力・安全保安院を訪ねました。その様子を取材したのですが、これが「唖然」と言うしかない内容で、驚いてしまいました。
「作業も夜中の2時3時だったというので、誰も見てない、というのもあったのかなとは思う」-隠蔽の発端についての推測です。結果、社長自身にこの情報が届いたのは今週3月13日。事故そのものの問題以上に、社内風土の問題は深刻です。記者がさらに訊ねます。社内でも専門で人には説明しなくていいという雰囲気があるのかと。「そこまで言えるかどうか分からないけど、そういう雰囲気があるのは感じられるんですよ」「昨年1年だけでも2号機の品質管理の問題が出てまして、なんかおかしいんだと、感じておりまして」「上に相談してもわかんねえ、というそういう(技術系の現場の)空気が感じられますんで」
多数の人命に影響を与えかねない原子力事業をやっている会社、その社内風土とは到底思えません。「信じられない」の一言に尽きます。社長は小声でくぐもった感じで話しますが、その語り口と裏腹に、内容は驚天動地の見過ごせないことばかり。
きょう志賀原発1号機は運転を停止しました。北陸電飾は、今月中に原因究明を、来月13日までには抜本的な再発防止策の報告が求められています。安全が何よりも優先されるべき原発への信頼は、社長の言の通り「地に落ちた」と言えましょう。各社で相次いだデータ改ざん、データ隠しを見ても、ひとり北陸電力だけの問題ではありません。もう唖然とさせられるのは御免被りたいと思いつつ、スタジオに戻りました。
投稿者 近野宏明