#134  特別

(2007/02/19)


 

070219_ネクター.jpg不二家の「ネクター」を、「お土産」に頂きました。急速に店頭や自販機から姿を消しているので、いま必死に探しているファンもいるとか。このネクターは、ある地域への出張から帰ったスタッフが持ってきてくれたものです。原料の消費期限切れ問題で揺れに揺れる不二家。バレンタイン商戦にも加わることなく、このあと迎えるひな祭り、ホワイトデー…。

  先日、『リアル目線』のコーナーで、不二家の関係者やファン、一般の消費者の「つぶやき」を取り上げました。印象に残ったのは、不二家には固有のファンが確実にいたということ。そして、ファンの思いをどれだけ裏切ったかということ。私の年代よりも少々上の世代の皆さんにとっては、とりわけその思いは強いように感じられました。

  何か月かに一度の「お出かけ」の際に、不二家レストランでデコレーションたっぷりのプリンやパフェを食べる。誕生日やお祝い事のときに不二家のケーキを買ってきて、自宅で包みをほどく。そうした特別なイベント、格別な思い出とともに不二家のお菓子があるようです。コラムニストの泉麻人氏も、銀座レストランでの思い出をあちこちに綴っていた記憶が…。私も、同じ新潟出身のスタッフと話をして、新潟の繁華街にあった不二家レストランに、ちょっと晴れがましい、ちょっと華やぐ思い出を持っていることをお互い確認しあいました。

  「つぶやき」のコーナーでも、目を輝かせて幼い日々の思い出を語る主婦、ひとしおの思いを持ってケーキを売っていたフランチャイズ店の夫婦と、立場はそれぞれですが、不二家への特別な何か、をことばで表現していたのです。特定のメーカーや特定のチェーン店に、それだけの「特別な何か」を抱くことって、稀なことだと思います。皆さんにはそんなメーカーがありますか?

  それゆえに、「特別」を汚され、裏切られたという事実はじつに罪なもの。これから不二家はファンのつぶやきをどれだけ真摯に受け止めて、再生を図るのでしょうか。そして、容易には築くことのできない「特別」をふたたび提供できる日は来るのでしょうか。

投稿者 近野宏明