先日、目黒区の五本木小学校にお邪魔しました。なんでも、日本初の「子供用防災ヘルメット」が全校児童を対象に導入されている学校だそうで、それを着用しての避難訓練が初めて行われるということ。「防災士」の資格を持つ私としては興味津々です。しかも、この小学校は安全教育に特に力を入れていて、平成17年度は文部科学省の「地域ぐるみ学校安全体制整備推進事業モデル校」、そして今年度と来年度は目黒区教委の研究開発指定校として「安全教育」の研究開発を行っています。防犯、防災、地域の安全、生活安全などなど、昨今急速に意識の高まる「子どもたちの安全」についても、有意義なお話が伺えるのでは、という思いで門をくぐりました。…ちなみにその校門も、カメラ付きインターホンで確認後に解錠、というしくみです。
校長先生から、これまでの取り組みや、現下の課題など、興味深い話をあれこれ伺っていると、訓練開始のときがやってきました。いよいよだ、とグラウンドに出る直前、思いがけないことをお願いされました。「そうだ近野さん、防災士の資格をお持ちなんですから、訓練後の講評をお願いできますか?」と。これにはびっくり。ほんの1時間ほどまえに初めてお邪魔した学校で、まさか全校児童を前に話をするなんて…。しかし朗らかで溌剌とした校長先生はヘルメットをかぶり、きびきびとグラウンドに出ていってしまいます。話は決まってしまいました。
全校あわせて10クラス。私たちの時代とはまさに「隔世の感」と思える小さな小学校の元気な子どもたちは、校内放送・サイレンと同時に、殆どおしゃべりをすることもなく、粛々と整然と、グラウンドに集合しました。もちろん、黄色い防災ヘルメットをかぶって。やはり継続的に「安全教育」に取り組んできた学校だからでしょう、ふざけている子は見あたりません。褒めることなら沢山あります。お陰で、講評するのは非常に簡単でした。
子どもたちが熱心に聞いてくれるので、もう少ししゃべってもいいかなと思い、一つお願いをしました。「みんなが夜お布団を敷くところ、ベッドの有るところを思い浮かべてください。大地震のときに、布団やベッドの上に倒れてきそうな家具はないですか?お家の人と確認して、できるだけ家具を別の場所にしたり、倒れないよう固定したり、お願いしますね」…子どもたちは社会の宝です。大勢の子どもたちを目の前にすると、心から、命のかけがえの無さを実感しますね。ことは災害に限りません。私たちおとなのやるべきことは沢山あるなあと考えています。五本木小学校の皆さん、どうもありがとうございました。
投稿者 近野宏明