#123  いけばなのみち

(2007/01/24)


 

先日、いけばな小原流の本部にお邪魔しました。当サイトでも「今週の挿花」というコーナーでお馴染み。「リアルタイム」のスタジオセットは小原流の皆さんによるお花が常にあしらわれています。週に2回、放送の無い時間帯にたくさんの花をお持ちくださって、活けて頂きます。

070122 小原流にて①.JPG今回は年始ということで、本部と、東京支部にお邪魔しました。表参道の「小原流」ビル、地下の飲食店には入ったことがあったのですが、フロアに足を踏み入れるのは初めてです。花鳥風月とは縁遠い生活をしている私にとっては、お花の世界は未知の領域。さらにその道を究めている大勢の先生方もいらっしゃると思うと、番組本番より緊張してしまいます。…あにはからんや、和やかな雰囲気で楽しいばかりのオフィスでした。杞憂でした。

070122 小原流にて②.JPG広い教室では、ずらりとならんだ器を前に、大勢の方が花をいけていました。伺うとこの日は「研究会」。事前にどういう花材を使うかを示し(つまり課題の事前提示ですね)、それぞれが練習を重ねて、この会に臨むそうです。検定会みたいなものでしょうか。意外に十分な準備期間があるのだな…とつい思ってしまった私。しかし花材そのものの寸法や、かたち、自分に与えられた花の活きの良さ、といった様々な不確定要素が必然的に伴います。それを織り込んでどう表現するかが試されるということ。はぁ…なるほど。確かに同じ花材であっても、一つずつが生き物ですからね。その個性をどうつかんで、どう魅力的に仕上げるか、たしかにクリエイティブな営みです。

 スタジオの挿花は、「ん?これは?」と考える花材が使われることも少なくありません。見たこともない形の大きな実や、天然色なのか色つけしたものなのか判然としないような色の枝葉など、自分の知っている草木や花実がいかに乏しいかを思い知らされます。裏返せば、そうした知識があると、都会のちょっとした土の上にも楽しみを見いだせるわけです。いけばなのみちを究めるのは決してやさしくはありませんが、それだけ日頃の生活や精神が豊かになることは、容易に想像できますね。

投稿者 近野宏明