緊急災害報道で思うこと                  藤田大介

(2006/08/24)


 

 「たった今入ってきたニュースです!」

タイトル.jpg日テレNEWS24は、今起きた事を今伝える速報態勢が常に整っている所。
不測の事件・事故はある時突然発生します。そんな時、
日テレNEWS24では予定を急遽変更して「Breaking」という形で緊急報道をする事になります。
他局にはない日テレ自慢のコンテンツ、僕も胸を張って友人に
紹介しています。
しかしアナウンサーにとっては24時間気が抜けません。
いつどんな状況でも対応できるようあらゆる知識を頭に入れて、
自然と口から言葉が出てくるよう訓練しないといけません。

デビューからまもなく1年、これまで数多く、「Breaking」を実況してきました。
その中で印象が特に強い災害ものを2つ紹介します。


地震・『大分、大地震』 
地震大国・日本、今年も各地で規模の大きい地震が発生しました。
特にこの地震が起こる数日前、報道局とアナウンス部で地震報道に関する勉強会を行っていたので
準備は万全でした。発生時刻は番組開始の12時少し前。
報道局中を震撼させるような大きなサイレン音が、オープニングテーマが流れてくるイヤホンの向こうで
聞こえてきました。

「何か起こる・・・」

“画面に映っている以上、視聴者にとって年齢や経験は関係ない。
アナウンサーとして平静を保ち凛とした姿勢で事実を語り続けないといけない………”
先輩アナウンサーから研修時に聞いた言葉が頭の中を駆け巡ります。
次々と送られてくる膨大なデータ、それを地名を間違わずに読み進めていきます。
緊張感の中で電話で現地の人と話を交わしながら進めた1時間半でした。


火事・『新木場、線路脇で火災』
 真っ赤な炎に包まれて燃えている家屋の映像。
それはまさに原稿を読み進めていく中で急に僕の目に飛び込んできた衝撃的な映像でした。

  <次、映像見て実況して> <新木場、火事、詳細不明>

それだけ書かれた紙をスタッフが指を差す。

  「新木場でいま火事が起きています」

映し出された映像には真っ黒い煙が家の中から立ち込めている様子が映し出されていました。
四方からの放水、走り回る消防隊員、焼け焦げている車、近くの線路上から現場を見つめる保安員、
目に留まるものをどんどん実況していきましたが、口先だけ余計に絡まって単語しか出てこない…。
アナウンサーとして意味のある情報を実況することは出来ませんでした。
後ほど多くのアナウンス部の先輩に見て頂き、力不足な点を指摘してもらいました。

『煙の色が意味する事』
『放水する際の仕組み』
『消火剤の種類』
『焦げ具合から建物の構造や材質』… 

知識が自分の中に少しでもあれば、周囲に燃え広がる危険性や周辺住民・交通機関への影響などを
加味して実況できたはず。多くの反省材料と共に、伝え手として責任を持って「Breaking」に臨まないといけないという基本姿勢を改めて学びました。

いま僕の家には、『はたらく車たち』や『地震のしくみ』といった図鑑が所狭しと並べられています。
大人になってもバカにしちゃいけませんね。子供たちが読むこの類の本でも、よく読めば知らなかった
ことが多く書かれています。
さらに専門書を読み、理解できないところは現場で働く方々に取材をする。
わかり易く伝えなければならないアナウンサーだからこそ事象を正確に理解し、いつ起こるかわからない災害報道に備えて日ごろから徹底して準備を整えておきます。

これからも緊急時は『日テレNEWS24』を宜しくお願いします。


投稿者 藤田大介