髪の分け目が変わっただけで、また大騒ぎ!
英国政界の風雲児、
デビッド・キャメロンの周辺は常ににぎやかだ。

弱冠39歳で野党保守党のリーダーになって以来、
身内の反発も恐れぬ改革姿勢と
巧みなメディア戦略で話題を独占(小泉前首相と似てる)、
政党支持率でも労働党に勝っている。
今週は、
これまで左に流していた髪が突然右向きに変わり、
面白がった大衆紙が憶測を並べる。
「右流しの方が男らしく見えるから」 とか
「政治スタンスの変更を意味する」 といった根拠の薄そうな分析から、
「ハゲが進行してきたのを隠す為」という説得力ある解説も登場し、
BBCのモーニングショーにまでとりあげられる盛況ぶりだ。
実のところは
子供を連れて行った先の床屋さんで、
すすめられるがままにヘアカットしただけらしい。

「次期首相?」ブラウン財務相より、
野党のキャメロンばかりがここまで注目されるのも、
与党・労働党の目を覆う惨状に一因がある。
今週水曜の晩、ブレア内閣が議会に信を問うた
総予算200億ポンド(5兆円弱)の「核兵器リニューアル計画」。
なんと身内の労働党議員90人以上が 「反対」 。
ライバル保守党の賛成に助けられて
辛くも可決という屈辱的な結果に終わった。
議会周辺に集まった反戦団体からは大歓声。
こんなの日本だったら、 「政局」 だ。

議決後、造反議員の一人に声をかけてみると
「あるかどうかも分からない未来の脅威にお金を使うのは馬鹿馬鹿しいわ」
とニッコリ微笑んだ。
首相もずいぶん軽くみられたものである。
根拠のない大量破壊兵器を理由にイラク戦争に突き進んだ事が、
ブレア時代の幕引きにつながった。
コソボやボスニア紛争への軍事介入から学んだ
タフな外交姿勢が仇になったとの見方もある。
先日会う機会があったイギリスの元外交官は、
「プライム・ミニスターが外交に力を入れすぎると失敗する」
と語っていた。
国民を高揚させて支持率を容易に高められる反面、
リスクも大きいということか。
含蓄ある言葉に思える。








