前回、クルマを題材に
北京の人々はあまり行儀が良くないことを指摘しましたが、
そんな彼らが粛々と行列をつくり、自分の順番が来るまで辛抱強く待っている場所があります。
故宮の北側にある地安門の甘栗屋「秋栗香」です。
秋はクリのおいしい季節です。
中国では「8月はナシ、9月はサンザシ、10月はクリ」という言い伝えがあります。
いまはトップシーズンということになります。
北京の地元紙によれば、クリは栄養補給にも役立ちます。
たんぱく質、脂肪、ビタミンBが豊富な高カロリー食品で、
胃や脾臓、腎臓の機能強化に役立つということです。
さすがは健康情報に詳しい中国人、
ただ美味しいだけでは行列はつくらないというわけです。
この日、私が待たされた時間はほぼ30分。
せっかくだから、と作り方をじっくり観察してきました。
使うクリは「懐柔油栗」。
北京市のに東北に位置する懐柔区(農村地帯)で獲れるブランド品のクリです。
店によれば、大きすぎても、小さすぎでもいけないのだそうです。
石の入った鍋に10キロ分のクリを入れて、時々砂糖水を加えながら30分炒ります。
甘栗がベタベタするのは砂糖のせいなのです(知ってました?)。
このベタベタで、クリの殻についていたゴミや石を取り外し、クリに艶を与えるという狙いがあります。
ちなみに砂糖は市販品ではなく、特別発注品。
おいしさのウラにはやはり「こだわり」がありました。
4台の鍋が朝から晩までフル回転するのですが、
1日に炒る量は500キロから1000キロくらいだそうです。
行列が絶えないのだからもっとつくればいいのにと思いますが、
1回につき30分はかかるし、鍋は4台しかないし、これが限度なのでしょう。
30分の「炒り時間」が終わって、やっとだな~と思っていると、
もうひと行程がありました。クリをふるいのようなものにかけています。
石を取り除くのだそうです。買った甘栗に石はついていない、道理です。
晴れてできあがった「甘栗」。
手さばきの早い女の子が500グラムずつ袋にぽんぽんと入れていきます。
一袋500グラムで10元(150円弱)。北京の甘栗店としては高いほうです。
この日は4袋買いました。
ほかの客は一袋の人もいるし、10袋の人もいて様々ですが、
ここでおとなしく並んでいるひとたちの間からは
「たくさん買えば、待っている人たちを待たせてしまう」という意識(節度)が感じられます。
炒りたてはちょっと剥きにくいのですが、ほっかほかの甘栗。好吃・・・。
でも、実は甘みが出てくるのは、しばらく時間が経ったあとなのです。
クリから熱が抜けると甘みがじわ~っと現れてくるようです。
ちなみに、今回購入の4袋は支局でみんなと山分けしました。
小さな幸せ、みなで分かち合うのが北京支局の方針?です。








