流す人あれば、拾う人あり

(2006/11/07)


 

 タイでは毎年11月に「ロイ・クラトーン」というお祭りがあります。
日本の灯篭流しのようなお祭りで、バナナの葉や、色とりどりの花でできた灯篭に
線香とロウソクを立て、川や池に流します。
 人々は水の精に感謝し、罪を清めるために灯篭を流します。
ですから、流す前に灯篭に手を合わせ、祈りを捧げます。
想いがこもった灯篭は、静かに水面を流れ、幻想的な世界が広がります。

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 ところが、水面を流れる灯篭が、どこまでも流れていくことはありません。
「水質管理ために、市の職員が拾ってくれるから?」なんて考えた人は、
タイという国をまだよくわかっていません。

 灯篭が水面を流れ出した直後に、子供たちが拾ってしまうのです。

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 実は流された灯篭の中には、20バーツ(約60円)程度のお金が入っていることが多いのです。
お賽銭のようなものです。
子供たちは、灯篭を流した人のすぐ隣で、灯篭を拾い上げ、迷うことなく分解します。
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 そして、お金を抜き取り、分解した灯篭はそのまま水面に捨ててしまいます。
人々が想いをこめた灯篭は、水面を流れて数十秒後にはバラバラになってしまうのです。

 しかし、それを咎める人は誰も居ません。
みんな、「そういうもんよね」みたいな感じで、気にも留めません。
日本人の私の感覚だと、「せめて流した人が見ていないところでやればいいのに」と
思ってしまいますが・・・。

 あるタイ人は、「灯篭を流した時点で私のロイ・クラトーンは終わり。
後のことは知らない」と言っていました。
 何事も「マイペンラ~イ(問題ない)」の国、タイ。
細かいことは気にしないことが、
この国で快適に暮らす秘訣であることは間違いありません。