上海には世界最大の日本人学校がある。
「虹橋校」と今春開校した「浦東校」を合わせた児童生徒数は、2386人に上る(今月1日現在)。
かつて日本総領事館の片隅に開かれた学校は20年の歳月を刻んできた。
お祝いの式典は、晴天に恵まれ11月とは思えない汗ばむ陽気の下で行われた。
大きな声で校歌を熱唱する天真爛漫な子供たち。
我が子をビデオカメラに収めるお父さんたちの姿が微笑ましく見えた。
私が式典で特に印象に残ったのは、「功労者」への表彰式だった。
上海日本人学校には現在、39人の中国人講師や事務員たちが勤務している。
中には勤続15年になるスタッフが2人もいる。
感謝状が贈られたのは、中国語の女性教員。
彼女は子供たちが中国語を習得し易い様に、自分で「教科書」を作ったのだという。
そして、子供たちの送迎を担当するスクールバスの運転手。
彼は「日本人学校の車掌さん」と紹介されて、大きな拍手を浴びていた。
日本人学校の運営は、大勢の地元中国人の力に支えられている。
日中関係は「反日」「嫌中」という言葉で形容されることも多いが、
北京五輪、上海万博というビックイベントを追い風に、日本企業の進出は勢いづいている。
30代を主流とする駐在員は家族とともに生活の場を移し、それが日本人学校に通う
子供たちの増加に拍車を掛けている。
私も30代で家族と一緒に中国に来た。週に3回来てくれる中国人のお手伝いさんは、
外国生活に不慣れな妻を助け、1歳になったばかりの娘を我が子の様に可愛がってくれる。
買い物の時には、大声を張り上げて値切ってくれる頼もしい「お母さん」でもある。
こうした中国体験をした子供たちが、文字通り「架け橋」となって未来の日中関係を
形作って行くのかも知れない。
上海支局も今年、開局10周年を迎えた。5人のスタッフのうち
私以外は全員が中国人だ。
助手の李さんは開局の準備段階からいる「生き字引」の様な存在。
運転手の包さんは控えめな人柄ながら、ここ一番の腕前は「天下一品」である。
カメラマンの王さんは支局に来てから日本語を始めた勉強家で
金正日総書記の激写に成功した「名手」。
紅一点の助手、王さんは一流大学を卒業した「秀才」で日本に行ったことがないのに、
私よりも日本の芸能事情に詳しい。情報収集力は「ピカイチ」である。
上海支局はこんな面々で毎日ともに泣き笑いしながら日本に向けてニュースを発信している。








