上海の先生曰く・・・②

(2006/10/03)


 

私の中国語の先生は年齢がひと回りも違う小姐(中国語で若い女性の意)。
小姐からメールが入った。

  小姐「足をくじいたので、きょうは授業を休みます」

最近、彼女はよく足をくじくらしい。『街中で「工事」が多過ぎて道がデコボコだから・・・』
これが彼女の分析。確かに中国経済を引っ張る上海は、いま成長の真っ只中にある。
古い町並みはあっという間に更地になり、ほんの数ヶ月で天にも届く様な高層ビルが現れる。
市の幹部と開発業者がタッグを組んで推し進める再開発のスピードは凄まじい。
去年だけで7万戸以上の家が立ち退きを迫られたという・・・。
上海支局から見える街並み2.JPG

一週間後、彼女は明るい表情で授業にやって来た。

  私 「足は大丈夫?」

  小姐「上海市の書記(中国共産党の上海トップ)が汚職で解任されましたね。
      人民のお金を悪用して私腹を肥やしたあの人は、絶対に許せません!」

治ったばかりの足をバタつかせて、彼女は真顔で怒っている。

  私 「(結構ハッキリと言うな・・)」

あからさまな共産党批判は中国ではタブーなはず。ところが今回の汚職事件で街を取材した時、
多くの人たちが「辛辣な」言葉を公然と口にしていることに私は少々、驚かされた。
「あの人の悪事は前から知っていた!」と、延々と話し続ける事情通?のナゾのおばさんにも遭遇した。

  私 「皆そんなにハッキリ言って大丈夫なの?」

そんな私の問い掛けに、彼女の答えは明快だった。

  小姐「もう捕まった後ですから・・笑」

中国では去年だけで「汚職や横領」で1万人を越える幹部を含む党員が党籍を剥奪されている。
この他、規律違反者の総数は11万人にも上り、
不正幹部の摘発を聞いて、人々が「花火」を打ち上げて喜んだ地方もあったらしい。

  私 「花火を上げて喜ぶなんて面白いね、日本では考えられないよ」

  小姐「でも、ケガをしてからでは遅いですから」

若いのに言葉のひとつひとつがとても重い、私の先生である。