ソウルの中心部でデモや集会がない日があれば、それがニュースになるのではないかと思うほど、連日、どこかで誰かが何かを訴えている。警戒にあたる警察官と激しく衝突し負傷者が出ることも珍しくなく、若い警察官の母親らが、『暴力的なデモの禁止』を訴えてデモをしたこともあった。

さてこの日は、国防省前に北朝鮮軍出身の脱北者が集まった。韓国軍が戦時の統制権(指揮権)を単独行使することに反対したのだ。
現在、戦時統制権は米韓連合軍の司令官つまり在韓米軍の司令官が保有しているが、これを韓国軍へ移管しようと協議が続いている。『自主国防』を目指す盧武鉉政権の悲願とも言えるが、米軍からの戦力支援の規模が縮小する恐れがあり、北朝鮮への脅威を主張する保守層からは批判を受けている。さらに韓国側は2012年の移管を求めていたが、アメリカが2009年に前倒しすると応じてきたため、「北朝鮮への宥和政策を続ける韓国に、アメリカは見切りをつけたのではないか」といった悲観論さえあるようだ。歴代の国防相や外交通商相らが、統制権の単独行使に異例の反対声明を出したのに続き、脱北者らも「在韓米軍の抑止力が薄まれば、金正日総書記の思惑通りになる」と危機感を募らせたのだ。防衛費の増大で、国民の負担も重くなるだろう。
統制権の移管計画は、来月の米韓の協議でロードマップについて協議され、進められるようだ。北朝鮮問題、在留米軍問題という共通の問題を抱える日本にとっても重要なニュースになると注目している。








