あらたな外交問題に発展か?フジモリ裁判に注目

(2007/11/13)


 

警護官
「大統領、お時間です!」
フジモリ氏
「それではみなさま・・行ってきます」

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9月22日午前、フジモリ元大統領の身柄がチリの自宅からペルーに
移送された。三女の娘サチが作った手作りのサンドイッチをゆっくり食べてから、
警護官に付き添われ、待機していたチリの軍用ヘリに乗り込んだ。元国家元首
として毅然と振る舞いながらも、いつもの笑顔を絶やさなかった。ペルーに戻るのは
日本に亡命して以来、実に7年ぶりのことだ。
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   【三女のサチさんと】

フジモリ氏を巡っては大統領在任中に人権侵害や汚職に関わっていたとして
ペルー政府がチリ政府に身柄の引き渡しを要求、1年半以上にも渡ってチリの
最高裁判所が身柄を引き渡すかどうかの審理を続けていた。7月11日、チリ
最高裁が出した最初の結論は、ペルー政府が提示したすべての容疑について、
フジモリ氏の関与を裏付ける証拠はまったくない、というものだった。その後、
ペルー政府が異議申し立てを行い、9月21日チリ最高裁が最終的に出した結論は、
13の容疑のうち、7つについて、フジモリ氏の関わりが濃いという、1回目とは
まったく逆の判断だった。1回目が真っ白、2回目が真っ黒の逆転判決だった。

フジモリ氏の関与が濃いとされる主な容疑は、90年代はじめペルーの軍の特殊
部隊が左翼ゲリラ鎮圧のため掃討作戦で、民間人25人が巻き添えとなったバリオス
アルトス事件とラカントゥータ事件、そしてフジモリ氏の側近に1500万ドルを不正に
支払ったといわれる公金横領事件。当時、ペルーはテロの嵐が吹き荒れ、リマは
市内でも危なくて歩けず、大統領官邸にですら頻繁に銃弾が撃ち込まれるような
ご時世だった。事件のあったバリオスアルトスは、大統領官邸の真裏の住宅地区で、
テロリストが潜伏しているという情報を受けて特殊部隊が突入し、たまたま不幸なことに
民間人が巻き添えになった事件だ。この事件についてフジモリ氏は、民間人を虐殺せよと
命じたことは一切なかったと、容疑を否定している。
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   【民間人が巻き添えとなったバリオスアルトス事件の現場@リマ市内】


また側近に1500万ドルを不正に支払ったといわれる公金横領事件については、
フジモリ氏自身、身に覚えのないことで、自分で調査した結果、そのお金は、
側近には届かず、間一髪、ペルーの諜報機関のところに留め置かれ、事なきを
済んだと話している。

フジモリ氏の疑惑の証拠をつかもうと、ペルー政府はこれまで、アメリカの有名な
調査機関「クノール」に膨大な金をつぎ込んであれこれと調査させてきた。ところが
クノールの調査結果は、「疑惑を裏付ける証拠はない」というものだったという。
疑惑を裏付ける証拠がないことは、ペルー政府自身がよく知っている。それなのに、
なぜ、ペルー政府は躍起になってフジモリ元大統領を裁こうとするのか?

そこにはペルー特有のお国柄、独特の権力闘争が背景にあるといわれる。
ペルーは「何でもありの国」と表現する人がいるように、時の権力者が、行政機関や
裁判所、そして軍までをも掌握するお国柄だ。フジモリ氏は大統領時代、ハイパー
インフレを沈静化させペルーの経済を立て直し、またテロを根絶し、貧困問題に取り
組んできたことでも有名だ。あのペルーの日本大使公邸事件では自ら陣頭指揮を執り、
日本人人質24人を全員に無事解放させたことも記憶に鮮明に残っている。
政権後半期には独裁に走ったとの批判もあるが、ペルーの権力構造をある程度知る
ひとなら、状況は理解できるはずである。フジモリ派が議会で5番目の勢力を維持し、
貧困層を中心に根強い人気のあるフジモリ氏に3年後の大統領候補として再登板を
求める待望論があるのも事実だ。この状況を時の権力者が好ましいと思うはずがない、
と説明する人は多い。

同日午後(9月22日)、リマの空港周辺にはフジモリ支持するグループと反対グループが
集まり、フジモリ氏の到着を待ち構えていた。小競り合いになる場面もあったが、結局、
フジモリ氏を乗せた飛行機は予定されていた空港には着陸せず、直接、ペルー国家警察の
施設へと向かった。ペルー政府は混乱を避けるために、あえて人目につかないようにした、
と説明するのだが、フジモリ氏の存在と国民の反応が気になるのは確かなようだ。
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【左:フジモリ氏の到着を待つ支持者、右:フジモリ氏が拘束されているペルー警察の施設】


12月10日、フジモリ氏に対する公判がペルー最高裁ではじまる。検察はフジモリ被告に
対し、殺人罪などで禁固30年を求刑している。こうした中、日本では「フジモリ氏に公正な
裁判を求める超党派の議連が発足した。会長は自民党の山崎拓、このほか民主党の
前原誠司副代表、公明党の東順治副代表ら、これまでに93人が名を連ねている。
来年春にはガルシア大統領の訪日も予定されているが、裁判の行方次第では、日本から
ペルーに拠出しているODAの扱いも再検討せざるを得ない、とかなり強きの姿勢だ。

26日から始まるフジモリ裁判には、超党派の議連からも傍聴に駆けつけるという。
「フジモリ」をとりまく環境は、フジモリ氏個人の身の処し方だけではなく、大統領選挙を
にらんだペルー政党間の攻めぎあい、さらには日本政府をも巻き込んだ新たな外交問題へと
発展する様相を見せている。


気候変動がアメリカを襲う!


 

映画「風と共に去りぬ」の舞台として有名なジョージア州、アトランタ。
昨年の夏から雨がほとんど降らず、市民生活に異変が起きている。
アトランタ市内のレストランでは注文しなければ水のサービスはなし。
芝生の水まきも禁止だ。
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アトランタ市内から北へ車で1時間。目の当たりにしたのは湖底が
むき出しになった湖だった。アトランタ市とその近郊の住民300万人の
水瓶が干上がってしまったのだ。
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湖畔にあるマリーナも開店休業。ボートは陸揚げされ人影もまばらだ。
こうした記録的な干ばつは、ジョージア州をはじめアラバマ州やテネシー
州などアメリカ南東部8つの州に及んでいるという。

お天気専門チャンネル、ウエザーチャンネルのスタジオで気象予報士に
聞いてみた。
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気象予報士グレゴリー・フォーブス氏
「アメリカ南東部に高気圧が繰り返し発生し留まっている。この状態が
もう何か月も続いているんです。カフォルニアも乾燥していて山火事が
起きるなど、アメリカ中のすべての気候がおかしくなっています」


一方、ナイアガラの滝で有名なアメリカ東部の五大湖。
ニューヨークやシカゴなど首都圏の水瓶だが、こちらでも水位が低下し
ており、北部のスペリオル湖では最大60センチ、日本の琵琶湖の
2杯分の水が減ってしまったという。
水位の低下によって水力発電にも影響が出始めている。この発電所では
通常の発電量より35パーセントも減少し、足りない分は他の発電所から
購入するなどして賄っている。
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「15年前だったら、水位は足元あたりまで来ていた。基本的に雨量が
減っていること。水温が高いため、水分が蒸発し、水位が低下するの
です」責任者のリー・バーツさんは現状をこのように説明する。


地球温暖化専門のジョージア工科大のピーター・ウェブスター教授は、
「過去の頻度に比べて頻繁に干ばつや洪水が起きており、温暖化の影響に
よるものと言ってもおかしくない」と話す。

カリフォルニア南部では山火事が猛威をふるい、100万人が避難、大阪府を
越す面積が燃えるなど異常気象はアメリカ全土で起きている。
先日ノーベル平和賞の受賞が決まったゴア元副大統領が警告したとおり、
地球温暖化の影響は最大の温暖化ガス排出国であるアメリカを確実に蝕み
はじめている。


「命」かけたフジモリ氏の挑戦! 

(2007/07/04)


 

「ミナサマ、ヨーコソイラッシャイマシタ!!」

チリで軟禁生活を送っているペルーのフジモリ元大統領のもとを、国民新党の
亀井静香代表代行の秘書N氏がはるばる日本から面会に訪れた。参院選への
出馬を要請するためだ。
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さっそくお硬い話がはじまると思いきや・・、突然フジモリ氏自らが台所に立ち、
なんと「男の手料理」を作り始めたのだ。メニューは「ペルー風エビチリソース」。
味の方はノーコメントだが、軟禁状態の中での精一杯のもてなしだった。
大統領時代、趣味で楽しんでいた料理がいまになって大いに役に立っているという。
それから2日後、フジモリ氏は出馬受諾の意志を固めることになる。
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出馬を決意した背景には、背に腹は代えられない政治家フジモリの選択があった。
大統領在任中、人権侵害と汚職に関わったとしてペルー政府から身柄の引き渡しを
求められているフジモリ氏だが、フジモリ氏自身は、エクアドルとの国境紛争を解決し、
ペルー国内のテロを撲滅、そして貧困対策に命をかけて取り組んできたという自負がある。
しかしペルーに戻れば当分は刑務所暮らしは免れない。命の保障すらもない。それなら
いっそのこと日本の国会議員となって政治活動を続け、時期をみてペルーに帰国しようという
シナリオだ。 
それでは日本の国会議員になって一体何が出来るのかという率直な疑問がある。
実はフジモリ氏の夫人、片岡都美氏は北朝鮮に独自の太いパイプを持つ。1年に
十数回も出入りし、北朝鮮の政府高官と自由に接触できる数少ない立場の人物だ。
彼女によると北朝鮮は、リマの日本大使公邸事件を解決したフジモリ氏を「英雄」として
尊敬しているのだという。フジモリ氏はこうしたパイプと外交経験を生かして、こう着
状態にある拉致問題などを一気に解決できると胸を張る。
しかし、当選しなければ自ら最悪の状態に陥ることも覚悟の上だ。ペルー国民を裏切り、
日本からも相手にされない元大統領の烙印を押されてしまうことになり、政治生命を
完全に失うことになる。

一方の国民新党だが話題作りに躍起だ。今回の出馬要請を「フジモリ救出作戦」と
呼び、フジモリ氏の知名度を最大限利用し、選挙戦を少しでも有利に運ぼうという
したたかな思惑は誰の目にも明らかだ。
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フジモリ氏が当選しても日本で議員活動を行えるかどうかは未知数だが、
フジモリ氏が政治生命をかけて打って出た危ない賭けが果たして吉と出るか凶と出るか。
日本は勿論、世界のメディアが熱い視線を注いでいる。


地球温暖化最前線 アラスカ

(2007/05/20)


 

世界最大の温室効果ガス排出国アメリカ。
地球温暖化問題への世界的な取り組みが声高に叫ばれる中、
ブッシュ政権は石油やガソリンの消費を削減しようとエタノールなどの
代替エネルギーの普及促進を打ち出した。
温室効果ガス削減に向けてようやく重い腰を上げた形だが、
京都議定書が定める削減の数値目標を設けることには
あくまで反対の立場を貫いている。

一方、アメリカが積極的に推し進めているのが、国内油田の開発だ。
中国などの原油の需要が急増し、中東など海外からの供給が不安定さを増しているからだ。

アメリカ50州の中で最大の面積を誇るアラスカ。
テキサス、カリフォルニアなどと並んでアメリカでも有数の油田地帯である。
南北2000キロを縦断するパイプラインはその象徴だ。
このアラスカに実は今、異変が起きている。
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2005年秋、われわれ取材班はアラスカ北部北極海沿岸を取材に訪れた。
マイナス30度を記録する寒さの中、ホッキョクグマの出迎えを受けた。
間近で見るナマの野生動物にしばし感動。
しかしここが動物たちの楽園と思いきや、北極海には似つかない異様な建物が目に映る。
原油の掘削場だ。
地中2500メートルにある油田を掘っているのだ。一日の生産量は100万バレル弱。
この地方での生産量は、アメリカ国内の全原油生産の4分の1を担っている。
アラスカの原油生産は、アメリカの経済を支える、重要な産業なのである。

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石油コンビナートの近くで猟をするドリーン・ヌカポックさん。イヌピアットという原住民だ。
凍った川の上でドリルで氷に穴をあけ、仕掛け網の漁をしている。
石油コンビナートができてから、この地で動物を見ることはめっきり少なくなったという。
その原因となるものを我々は目撃した。地平線上に黄色い大気が広がっている。
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黄色い大気は、コンビナートからの煙によるスモッグ。
石油を汲み上げた際に吹き出した天然ガスが大気中で燃やされてできたものだ。
スモッグからは、酸性雨の原因となる二酸化窒素が含まれている。
その排出量は、アメリカの主要都市よりも多い、7万トンにも達している。
この膨大な二酸化窒素が酸性雨となって、アラスカの地表に降り注いでいるのだ。
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動物かつては、ドリーンさんの村の中でも動物を見ることができた。
動物たちを探しにツンドラ地帯をスノーモービルで走った。
出発してから1時間、ようやく一頭だけカリブーを見ることが出来た。
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かつては、毎日調理していたカリブーの肉だが、今はあまり口に出来ない貴重な食糧となってしまった。
また、食べられなくなった原因は、動物がいなくなったことだけではない。

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ドリーンさん「カリブーの体を切り裂いたとき、緑とか黄色いスライム状のものがあったんです」

野生動物の体内に起こった異変は、黄色い大気に原因があると原住民たちは疑っている。


だがアラスカにとってさらに大変なことが起ころうとしている。
アラスカ州での原油生産をさらに増やしたいブッシュ政権は新たな計画を企てている。
ドリーンさんが住むイヌキシット村から小型機で東に30分。
そこに広がるのが北極圏国立自然保護区(ANWR)。
ツンドラ地帯が広がり、地球上に唯一、「原始の自然」が残る貴重な場所だ。
春になるとここには数十万頭のカリブーたちがやってきて、子供を産み育てるまさに「野生の聖域」だ。
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ANWRでの油田開発はカーター政権時代に禁止されたが、
ブッシュ政権は国内の原油産出量を増やそうとエネルギー政策を転換。
ANWRでの油田開発に向けた立法化を進めている。
ANWRに住むグッチン族のゲディエンさんはこうした動きに危機感を強める。
油田開発がひとたび始まれば、イヌキシット村のように動物がいなくなり、
村での生活は崩壊する。
カリブーのみならず、生息するホッキョク熊やジャコウ牛なども絶滅する。

「石油が足りないのではなく、石油を浪費するアメリカ人に問題がある!」とゲディエンさんは訴える。

アメリカが油田開発を続ける背景には、大量消費国アメリカの自己矛盾がある。
GDP世界のナンバー1の地位を維持するためには国内産業のさらなる活性化が不可欠で、
エネルギーの消費を減らすわけにはいかない。
二酸化炭素の排出を規制する京都議定書に調印できない理由もそこにある。
しかし、こうしたエネルギー消費推進政策の結果、アラスカの自然は破壊され、
地球温暖化が進み、環境に取り返しのつかないダメージを与えることになることを
アメリカはまだ理解していない。

アメリカ議会ではアンワーの油田開発を認める新たなエネルギー法案を巡って、
開発推進派と環境保護派との間で激しいせめぎ合いが続いている。

開発か、それとも自然保護か。

超大国アメリカが負う地球規模の責任はあまりに大きい。


地球温暖化最前線 南米アマゾン

(2007/05/19)


 

雄大な大自然に包まれた南米アマゾン。ワニや水牛、珍しい水鳥りたちの楽園だ。
その広大なジャングルは地球の肺といわれ、二酸化炭素を吸収し大気を安定させ
てきた。そのジャングルが未曽有の危機に瀕している。


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ブラジル中部マットグロッソ県の中心都市クイアバ。そこから小型機で北へ向かうと
その様子が目に飛び込んでくる。サバンナに変わり果てたジャングル、そしてその
ジャングルが燃えているのだ。

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原因は大豆栽培業者による不法伐採。木を切り倒すことなく直接火をつけ、大豆畑を
拡大しているのだ。

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ブラジルの大豆の輸出量は年間2千5百万トン。アメリカを抜いて世界No1だ。ブラジルの
大豆は遺伝子組み換えをしていないから健康食品として脚光を浴び、ヨーロッパや中国、
そして日本へと輸出されている。

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広大なブラジルの国土の6割(これは西ヨーロッパと同じ面積)をしめるジャングルだが、
すでに15パーセントが消失、毎年デンマークの国土と同じ面積が失われているという。
そしてこのまま開発が続けば2050年にはその4割が消滅してしまうそうだ。
ジャングルが消滅すると、これまで樹木が吸収していた二酸化炭素はそのまま大気に
とどまり、これが地球の温暖化を促し、ハリケーンの多発といった異常気象の原因と指摘
されている。

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ジャングルの消滅によって先住民たちも生活の場を失いつつある。
カヤッポ族の酋長ラオニさんは心配そうに語る。
「昔のジャングルはとても美しく木陰でのんびり過ごしていた。数年後には生活の場が
なくなってしまうでしょう」

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森林伐採によってピラニアや亀、オウムたちの数がめっきり減り、モーター付きのボートで
遠出をしなければ十分な収穫は得られない。

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ブラジル政府もようやく事態の重大さに気がつき、監視員を配置し違法伐採の取り締まりを
強化している。世界的な大豆の需要拡大の陰に、こうしたアマゾンの森林破壊があること。
そしてその森林破壊が温暖化を加速し、地球規模で人類に被害をもたらすということを、
地球の真裏に住む私たち日本人も認識しておく必要があろう。

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カストロ議長、またも姿現さず・・

(2007/05/11)


 

5月1日メーデーの日、キューバでは100万人が参加する大規模なパレードが行われた。
昨年7月末以来、病気療養中のカストロ議長だが、
このところ中国の代表団と会談したり、
対米批判の論文を共産党機関誌「グランマ」に相次いで寄稿するなど、
順調な回復ぶりをアピールしている。
このメーデーのタイミングに公の場に姿を現すだろう、と現地からの情報があり、
胸ときめかせてハバナに入った。

ハバナ市内の革命広場。赤や白に身を纏った市民が早朝3時からスタンバイしていた。
取材陣も朝5時に集合。我々もセキュリティーチェックを済ませ、革命広場で待つのだが・・・
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午前8時。パレードが始まった。
ことしのメーデーのテーマは「反米と正義」。
ブッシュ政権に立ち向かうカストロ議長を大きく称えている。
しかし、カストロ議長はとうとう姿を現さなかった・・。
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キューバ国民から圧倒的な尊敬と支持を集めるカストロ議長。
革命を達成し政権の座についてから48年の間、メーデーの行事に参加しなかったのは
59年と63年の2回だけ。外国訪問で国内にいなかったのが理由だった。
そんなカストロ議長のパレード欠席を、キューバ国民は驚く様子もない。

40歳男性:「元気で生きているならそれでいいよ!」
28歳女性:「もう年寄りなんだからゆっくり休んで!」
50歳女性:「いつもそばにいてくれるから、別に気にしないよ!」


アメリカの敵国、独裁国家と呼ばれるキューバ。
しかし人々は独裁者に対し、実におおらかで、一様に敬意と親しみを持っている。
カストロ議長の求心力はまだまだ健在だ。


生存情報遠のくキューバのカストロ議長

(2006/12/19)


 

「やはり現れなかったか・・」

世界から集まった200人の報道陣から一斉にため息が漏れた。
12月2日、ハバナで10年ぶりに行われた大規模な軍事パレード。
この場に療養中のカストロ議長が姿を見せるものと期待が高まっていたからだ。

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このパレードはカストロ議長らが革命闘争を始めてから50周年を祝うもので、
キューバは国家の威信をかけて準備を進めてきたものだ。
この歴史的な国家イベントにカストロ議長本人が出席しないことは、
カストロ議長の政権復帰がもはや不可能であることを内外に示すことに他ならない。

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この独裁国家が50年近くも続いて来られたのは
カストロ議長のカリスマ性があったからだ。
キューバといえばカストロ、カストロといえばキューバなのだ。
カストロ議長の姿は10月下旬のビデオ映像以来、絶えたままで、
既に死亡しているという未確認情報もある。

カストロ議長がいなくなればこの国は一体どうなってしまうのだろうか?

ハバナ市内をはじめて訪れると、観光化されていない古い町並みや、
底抜けに明るい市民の表情、どこからとも流れてくるサルサのリズムに
たちまち虜になってしまう。
しかし取材を続けるうちにこの国の見てはいけない部分が次第に見えてくる。
国民の平均月収は2200円と貧しい。
アメリカの経済制裁により、十分な医薬品や食料がない。
仕事も個人が自由に選択できず国家が決める。
もちろん国外には自由に出られない。
日本のような島国なのになぜか海産物が少ない。
船で亡命しないように漁師の数は限られ、厳しく監視されているからだ。

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中南米ではことし左派政権が続々と誕生し、「反米」の嵐が吹き荒れている。
カストロ議長をもり立て、自らの政治力に利用しようというベネズエラの
チャベス大統領もいるが、貧しいキューバ国民の目にはそのような政治的な
動きもむなしく映る。
一党独裁政権の下、まず自分たちの生活を維持し、どう生き抜くかが何よりも大切だからだ。

こうした「反米」の流れに逆行するように、
キューバでは、敵国アメリカとの関係改善を模索する動きが始まっている。
アメリカの経済制裁が解除されなければ、これ以上、
国家体制は維持できないという追いつめられた状況にあるのだ。

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共産革命、冷戦時代と激動の歴史を乗り越えてきた独裁国家キューバは
再び新たな時代のうねりに突入しようとしている。


感謝祭の主役に感謝!

(2006/11/09)


 

11月に入り秋も深まるニューヨーク。
ハロウインも終わって今度はサンクスギビングデー
感謝祭の支度が始まっています。
毎年11月の第4木曜日が感謝祭の祝日。
感謝祭の起源はアメリカ大陸に移住してきた移民たちが、農作物を育てるのに苦労し,
伝染病などにかかり苦しんでいるときに、
先住民のインディアンたちから家畜やトウモロコシなどの育て方を教わり、助けられ、
感謝したことに由来しているといわれます。

感謝祭の食卓といえば七面鳥。
Oha4!ニューヨーク中継の取材でマンハッタン近郊にある
七面鳥の飼育場を訪ねてみました。
3つある飼育舎のひとつには1000羽もの七面鳥が群れをなして飼われていました。
中に入って近づいてみてもまったく逃げようとしない!
カメラを向けると首をかしげながらしずしずと近寄ってくる・・なんとも愛嬌のある鳥でした。

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毎年6月頃にひな鳥から飼育を始め、この大きさに育つまで4か月から5か月。
重さは25ポンド、11キロくらいあります。アメリカでは年間、3億羽の七面鳥が飼育され、
この感謝祭の日だけで4500万羽が消費されるというから
ものすごい!!

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近くのレストランで感謝祭の代表的な七面鳥料理を注文してみました。

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いわゆる七面鳥の丸焼き、ロースターで3時間、ゆっくり火を通したもの。
それにクランベリージャムをつけて食べます。付け合わせはパンと野菜を七面鳥の
脂で炒めたスタッフィングにマッシュポテト。そしてグレービーソース。
このスタッフィングを七面鳥の中に詰めて一緒に焼く昔ながらの家庭もあるそうです。

お味の方はというと・・鶏肉と比べると脂分が少なくぱさぱさしていて
小生には少し物足りないのですが、ダイエットに良いと好むアメリカ人も多いようです。

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これ1羽で大体10人分。大勢の家族で囲むには丁度ほどよい分量。
取材終了後、スタッフ4人でがつがつ食べても半分が残ってしまいました。

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感謝祭の当日は、家族や親戚が大勢集い、
食卓を囲んでその年の無病息災に感謝するのですが、
食べられる七面鳥たちは家族の絆を繋ぐ栄誉ある大役を担っているのです。


支局の前にハリウッドスター

(2006/11/04)


 

先日支局員がこぞって窓の外を覗いていました。

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NNNニューヨーク支局の大きな窓からは5番街を見渡すことができるんですが
何事かと思い私も外を見てみると・・・。
人通りが絶えないいつもの5番街とは様子が違いました。

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なんと映画の撮影をしていたのです。
あの5番街が封鎖されていました。
アメリカ映画はスケールが違います。
歩道にはこの人だかりです。
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しばらくすると俳優が登場し撮影が始まりました。
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かなり暗くしかも人物が小さいためよくわからないと思いますが右側に写った男性。
実は超有名人なんです。
なんとメン・イン・ブラックやインデペンデンス・デイに主演したウィル・スミスです。
マンハッタンではよく映画の撮影が行われると聞いてはいましたが
なかなかその機会にめぐり逢わなかった私はすっかりテンションが上がってしまい
急いで撮影現場に向かいました。
撮影が行われていたのはセントパトリック教会周辺です。
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木の葉や洋服、靴などが大量に散乱した路上。
埃をかぶり不自然な状態で停められたイエローキャブ。
これらはセットの一部なんですがいったいどんな設定なんでしょうか。
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残念ながら私が到着したときにはウィル・スミスの出番は終わったあとで間近で撮影することはできませんでした。
これは支局のカメラマンが至近距離で撮ったお宝写真です。
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こんな場面に遭遇するとニューヨークに住んでいて良かったと素直に思います。
この映画のタイトルは「アイ アム レジェンド」らしいです。
来年封切りということで私の中ではこの映画の公開日は最大の関心事の1つです。


国連発①次期事務総長に会ってみた!

(2006/10/28)


 

アナン事務総長の後任に決まった韓国のパン・ギムン氏に直接会う機会があった。
北朝鮮の核実験を巡って国連安保理は10月14日、北朝鮮への経済制裁決議を採択。
パン氏はその前日、国連総会で次期事務総長に指名された。
同じ朝鮮半島に位置する分断国家が国際社会から、このタイミングで、
これほどまでに対照的な扱いを受けるのは運命のいたずらとしか表現のしようがなかった。
あれこれと複雑な思いを巡らせながら韓国の国連代表部の最上階へとエレベーターで向かった。

インタビューは「5分間」のみの約束だった。
世界が注目する超多忙な人物だから、5分間でもサシで会ってくれるのは
まさしく幸運としか言いようがない。

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カメラと照明をスタンバイして控室で待っていると、
パン氏は何事もないかのように穏やかな笑顔で部屋に入ってきた。
スタッフひとりひとりに握手をする気の配りようだ。
威圧感もなく、気取ったところもまったくない。
そして求めるような目つきでわたしを見つめるのだ。

パン氏のあだ名は「つかみどころのないウナギ」。
5分間の持ち時間で、この人物からどうやったらニュースを引き出すことができるか?

質問を3つに絞った。

Q1;北朝鮮が制裁決議を無視し、再び核実験した場合、どう対応すべきか?
A;決議は北朝鮮にこれ以上否定的な行動をとらないよう求めています。
北朝鮮はこの決議を順守すべきでしょう。
Q2;中国は決議が定める貨物検査、特に臨検はしないといっているが?
A;すべての加盟国が決議の内容を遂行するように希望します。中国も含めてです。

  (なんと当たり障りのない返答だろう・・・)

Q;日本に常任理事国入りする資格はあると思うか?
A;日本の気持ちは良く分かります。
事務総長として出来る限り幅広い“コンセンサス”が得られるよう努力していきたい・・

やはりウナギだった!本心がまったく見えない・・。
オブラートで包んだような言葉を並べられてインタビューはあっけなく終了した。
手応えはなかったが、うまくかわされ、なんとなく取り込まれてしまったような温かい、
奇妙な空気が流れている・・。

正直言って、パン氏にインタビューをするまで、わたしの心の角には一種の偏見があった。
昨年、中国や韓国で吹き荒れた反日行動。
小泉首相の靖国参拝や教科書問題などで日本はアジア外交で行き詰まりを見せていた。
国連でも常任理事国入りを目指す日本を中国・韓国は厳しく批判。
いわゆるコンセンサスグループを結成し、日本の常任理事国入りを阻止した。
そんな韓国出身の事務総長を心から歓迎できない自分があった。
そんなパン氏に対して、「このひとなら国連でもうまくやっていけるかも・・」と
不思議と感じられるようになっていた。

パン氏は調整能力に長けた実務派外交官として知られている。
アメリカが今回の事務総長選挙でパン氏を推したのも、
国連VSアメリカという対立軸を生んだアナン氏より、
こうしたパン氏の手法がやりやすいと踏んだからに違いない。

パン氏の事務総長就任後の最大の課題は北朝鮮問題だ。
さっそく北朝鮮を訪問しキムジョンイル
総書記と面会する意向も明らかにしている。
北朝鮮問題に韓国出身の国連事務総長がどのように向き合い、解決へと導こうとするのか?
時代の不思議な巡り合わせを肌で感じながら、
来年以降のパン氏の仕事に大いに期待したい。

ニューヨーク支局 狐野由久



赤土の大自然に抱かれて

(2006/10/27)


 

遅めの夏休みを取って、アリゾナ州のセドナという街に行ってきました。
ここは数年前に日本でもプチブーム(?)となった「癒やしのリゾート地」で、
アメリカの景勝地ナンバーワンにも輝いたことがあると聞いて
以前から一度訪れてみたいと思っていたのです。

火山と地層プレートが共存するため、ミネラル豊富な大地は驚くほど赤く、
その赤土でできた山々に夕陽が当たると、それはもう幻想的。
数千年の昔からこの土地に住み着いていたネイティブアメリカンにとっても
大地のエネルギーを感じる神聖な場所として崇められていたそうです。

というわけで、私も大地のエネルギーに触れて「癒やされたい!」と、
ちょっと早起きして赤土の山に登ってきました。

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朝のさわやかな空気を胸一杯に吸い込みながら登ること、およそ1時間。
頂上から見渡す赤土の山々は、朝日に照らされてキラキラと輝いていて、
その雄大な風景にしばし時を忘れて、ボーっとしてしまいました。

宿泊したホテルも「癒やしモード」全開で、お部屋は一つ一つ赤土でできた
可愛らしいロッジ風。

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さらにおもしろいのは、この街の「赤土」徹底ぶりです。どこを見渡してもまさに「赤土づくし」。
街の景観を崩さないようにと、商店街やスーパー、レストランまで全てが赤土色で統一されています。
アメリカ資本主義を代表する「マクドナルド」と「ウォルグリーン」も、セドナの街ではご覧の通り。

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とかく画一的で面白味がない、と言われるアメリカ。
文化や歴史の面では、ヨーロッパやアジアに到底及ばないアメリカですが、
この雄大な自然に抱かれてボーっと癒やされていると、
アメリカも捨てたもんじゃないな、と思えてくるから不思議です。
きっとネイティブ・アメリカンの大地への愛着が、知らぬ間に
そこに立つ者に伝わるのかもしれません。